(4月12日にプロトトピック軟膏の講習がありましたので報告します)
プロトピック軟膏ってご存知ですか?
アトピー性皮膚炎の治療に使う軟膏です。
皮膚炎の治療のスタンダードは「ステロイド軟膏」です。
ではなぜ「プロトピック軟膏」が必要なのか・・・
虫刺されや湿布かぶれなどの急性期の皮膚炎の場合はステロイド軟こうを塗ったら一般的には1週間もしたら治ります。
しかし、アトピー性皮膚炎は定義にもあるように「繰り返す疾患」なのです。
言い方を変えれば、「ステロイド軟こうを塗っている間は症状が改善するが、塗るのを止めたら再燃する」のです。
アトピー性皮膚炎の患者様から「ステロイド軟膏を塗ったらよくなるけど、止めたらまた湿疹がでてくるので・・・これってステロイドの副作用ですか?」と質問されることがあります。
答えは「いいえ」です。
「ステロイド軟膏を塗ったらよくなる」
→もちろん、皮膚炎治療のファーストチョイスはステロイド軟膏なので塗ったらよくなります。
「止めたら湿疹が出てくる」
→アトピー性皮膚炎の患者様の多くがハウスダストであったり花粉であったり、カビであったり(子供の場合は卵など食物も関与しています)・・・アレルギーをおこす原因が身近にあることが多いです。
すなわち、「自分を取り巻く環境に原因がある限り皮膚炎は再燃してしまう」わけです。
ステロイドの副作用で再燃しているわけではないのです。
では、皮膚炎が再燃を繰り返すからと言ってステロイドを塗り続けた方がいいのか・・・?
答えは「いいえ」です。
ずっと塗り続けてしまうとさすがに※副作用が出る可能が高くなってしまいます。
※ステロイドの副作用には「皮膚が薄くなる」「毛細血管が目立ってくる」「酒さ様皮膚炎(赤ら顔)」があります。
そのときに「プロトピック軟膏」の出番です。
プロトトピック軟膏はステロイド軟膏と同じように皮膚炎を抑える軟膏ですが、副作用ほとんど出ることはないといわれています。
ステロイドをできたら使いたくないという方の治療の手助けをしてくれると思います。
症状に応じてステロイドとプロトピック軟膏を使い分ける必要性があります。ご相談ください。