一般皮膚科診療

general

アトピー性皮膚炎

かゆみを伴う湿疹がなかなか治らない場合、アトピー性皮膚炎の可能性があります。アトピー性皮膚炎は、採血で原因が特定できる病気です。身近な生活環境の中に原因がある場合は可能な限りそれを除去し、治療を行うことが大切です。また、治療のほかにもスキンケア・入浴方法・食事の内容など、普段の生活習慣を改善していくことも大切です。治療に使用する薬には、ステロイドに抵抗がある方にはタクロリムス製剤や漢方薬を処方するほか、紫外線療法などの治療法もあります。お気軽にご相談ください。

尋常性乾癬

肘や膝などにかゆみなどの自覚がなくカサカサした発疹があり、改善が見られない場合は「尋常性乾癬(じんじょうせんかんせん)」の可能性があります。確定診断には生検を行う必要がありますが、専門医の所見で症状がわかることも多くあります。まず軟膏による治療を行った後、紫外線療法などを行います。それで改善が見られない場合は、チガソンやネオーラルといった服用薬を処方します。この症状は、治療で改善しても繰り返し出現することが多い疾患です。医師と相談しながら治療を進めていくことをおすすめします。

脂漏性湿疹(フケ)

頭髪にフケが出ることが多い場合、脂漏性湿疹である可能性があります。これは、皮脂がカビなどの細菌によって分解され炎症を起こしている状態です。頭部に症状が出ることが多い病気ですが、皮脂が多く分泌される額や小鼻、また状態によっては腋や股に症状が出ることもあります。基本的に塗り薬で治療を行いますが、症状が繰り返されることが多いため、長い目で見て治療していくのが良いでしょう。

皮脂欠乏性湿疹

皮脂欠乏性湿疹とは、皮膚が乾燥し、強い痒みを感じることで、痒いからとかいてしまうことで湿疹化してしまう病気です。特に、皮膚が乾燥しやすい高齢者に多く、すね、太もも、腰、わき腹などに見られることが多いです。塗り薬として、乾燥を防ぐ「保湿薬」や皮膚の炎症をおさえる「ステロイド外用薬」などを使用して、治療を行います。

掌蹠膿疱症

掌(手のひら)や蹠(足のうら)に膿を持った皮疹ができたり皮膚がめくれたりしてくる症状を、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)と言います。手や足自体に原因があるわけではなく、扁桃炎や虫歯が原因となることもあります。また、最近では虫歯の治療などで使用する被せ物による金属アレルギーが原因になっているという報告もあります。(金属パッチテストで金属アレルギーの有無を測定することができます)
治療方法としては、軟膏と漢方薬の処方を行うことが多く、また紫外線療法も有効です。症状や原因によっては、耳鼻科や歯科を受診していただく場合があります。

白斑

白斑とは、皮膚にあるメラニン色素細胞が減少、または消失して起きる病気です。原因としては自己免疫、色素細胞の自己破壊、神経の作用、代謝の障害などがあります。治療方法は塗り薬(ステロイド)の処方や紫外線療法があります。紫外線によりメラニンを活性化することができるため、特に紫外線療法は有効です。症状にあわせて医師と相談しながら治療を進めるのが良いでしょう。

じんましん

蚊に刺されに似た状態や、地図状に浮き上がる皮疹が現れる場合、じんましんである可能性があります。症状のほとんどは、治療により1週間以内に改善されます。こうした短期間の症状は急性じんましん、定期的に繰り返す場合は慢性じんましんです。慢性の場合、長期にわたって薬の服用が必要になることがあります。原因が特定されづらい疾患ですが、抗アレルギー剤を服用することでほとんどの場合症状をコントロールすることができます。

尋常性ざ瘡(ニキビ)

■思春期ころから顔面、特に額から始まり、胸・背中にも出現します。ホルモン・食事・生活習慣・ストレスなどの影響で悪化します。ひどい場合はクレーターのような痕が残ることがありますので積極的に治療してきましょう。

 

■皮脂腺から過剰に分泌された皮脂や汚れで毛穴が詰まる(白ニキビ)
             ↓
    つまった毛穴に細菌感染が起こる(赤ニキビ)
             ↓
       赤く化膿して膿がたまる
             ↓
       膿がでてニキビ痕が残る

 

 

治療に当たって一番大事なこと
1日2回の洗顔石鹸を使っての洗顔は必須です(多くの方が夜しか洗顔せっけんを使っていない)
ニキビの原因を除去すること
ニキビはできやすいとき・比較的出にくいときがあります。出やすいときはどういった状況の時かを意識して生活してみてください。心当たりがあれば改善する努力をしてみてください。
この2点がしっかりできているのになかなかニキビがよくならないならしっかりと塗り薬などで治療していきましょう。

 

■18歳以降のニキビ(大人ニキビ)の場合、「薬をもらっている間はいい感じだけど、薬が切れたらすぐに悪化して治らない」という経験はありませんか?大人ニキビはかならず原因(寝不足やストレス、胃腸が荒れている、あるいは女性ホルモンの影響など)があります。これらの原因を塗り薬などの治療と同時に改善していただくと症状が早く安定しやすいです。逆にこの原因(寝不足など)の除去ができない場合は薬が切れると早期にニキビが再燃してしまいます。もちろん、すぐに環境の改善は難しいでしょうから治療をしながら徐々に改善していきましょう。

 

■保険の治療法には次のようなものがあります。
□ニキビの原因が分かっている場合はまずは原因の除去です。逆に、寝不足が原因でニキビができている場合は薬を塗ったらよくなりますが、寝不足が続く限り「塗ったところは治る」が「新しいニキビが次々と出てくる」ことになります。

 

□まずは塗り薬を塗っていきましょう。まずはデュアック(軽いならベピオ)(過酸化ベンゾイル系薬剤で古い角質を除去しながら炎症をとってくれます)を1か月塗ってみましょう。

 

□ひどい場合は抗生剤の内服をしていただくこともあります。

 

□漢方薬療法:膿を出しやすくする漢方など西洋の薬とは違う効果があります。便秘症が原因でのニキビの場合は「ニキビの漢方薬」ではなく「便秘症の漢方薬」を処方することもあります。塗り薬の補助薬として使います。

□抗アレルギー剤(リザベン®)内服:深いにきびの場合瘢痕(あばたのようなものクレーター)ができることがありますので予防目的で内服していただくことがあります。大した副作用はありません。

 

■ ニキビを繰り返す場合
□いったんデュアックでよくなっても塗るのをやめると再発する場合もあります。その場合、デュアックでいったんよくなったとしても、「良い状態を維持するために」ベピオ、ディフェリン、エピデュオなど(症状に応じて当方で選びます)を塗って毛穴のつまりをとりながら、かつ新しくつまりそうになっている毛穴のつまりをとりつつ、予防的な治療をしていきましょう。さらなる予防効果を期待するなら、漢方薬やビタミン剤もおすすめです。

 

■日常生活の注意・・・重要(特に睡眠と食事)
□規則正しい生活心掛けましょう。就寝時刻や就寝時間は特に重要です。(例えば10時間睡眠がとれていても就寝時刻が深夜の2時や3時だとニキビはとてもできやすいです)睡眠不足や運動不足、便秘(乳酸菌がおススメ)、ストレス(寝ると少し発散できます)も悪化の要素です。

 

□食事もとても重要な要素です。偏食しないようにしましょう。甘いもの(糖分の多いチョコレートや菓子類)、脂っこい食事は控えたほうがいいです。和食は胃腸への負担が少なくお勧めです。食品添加物の多い弁当などは極力控えましょう。

 

□洗顔:1日2回、にきび用石鹸をよく泡立てて、手の平で洗い、ぬるま湯で良くすすぎ、清潔なタオルで拭きましょう(押し当てるようにしてタオルでこすったりしないようにしましょう。)胸や背中にでている場合は、ナイロンタオルの使用は止めましょう。

 

□化粧はポイントメークにしてファンデーションの使用を極力中止しましょう。オイルクレンジングや、油性のファンデーションは避けるようにしましょう。

 

□ニキビ用化粧品はメイクアップを目的としており、あくまでも治療ではないということに注意してください。使い方を間違えて厚化粧をしたりすると悪化の原因にもなります。

 

□毎日洗髪し髪の毛が額や頬などの患部にかからないようなヘアスタイルにしましょう。枕カバーの洗濯も頻回にして清潔に保ちましょう。

 

□ニキビ痕のもとになるので指などで触ったり(手についている細菌が毛穴に入って化膿しやすくなります)つぶしたりしないようにしましょう。鏡は見ないようにしましょう(触ってしまいます)

 

■よくある質問
Q:ニキビ痕の赤みは治らないのですか?
A:治ります。赤みがひくまで1年から1年半と経過が長いので治らないように感じてしまう方もいらっしゃいます。治る過程で他にもニキビができて、それが治ったときにまた赤みが出てしまうのでいつまでも赤みがひかないように感じてしまう方もおられます。ですから、(ニキビを繰り返してお困りの方は)症状が落ち着いても新しいニキビが少しでも出にくくなるように予防的に塗り薬を塗っていく必要があります。
もちろん、ニキビ痕の赤みを軽減させるレーザーもありますが「ニキビ痕の赤みは時間はかかるが必ずきえて自然に治ってしまうこと」を考えると不要ではないかと考えております。少しでも早く赤みを改善させたい方は遠慮なくご相談ください。

 

Q:クレーターは治りますか?
A:クレーターは「フラクショナルレーザー」というレーザーで処置をすれば改善する可能性があります(当院にはございません)。最近ではフラクショナルレーザーは大阪では1回25000円くらいで処置されていることも多いようです。最新の機械で3~5回で症状が軽減するようです。
クレーターになる前に「ニキビができないような環境つくり」と「塗り薬を予防的に塗り続ける」ほうがいいかと思います。


保険外診療
ケミカルピーリング
イソトレチノイン内服
スピロノラクトン(アルダクトン)内服

マーベロン内服

女性の難治性ニキビに有効なスピロノラクトン(アルダクトン)内服

■男性ホルモンを抑え、重度のニキビを改善
スピロノラクトンは、保険治療・保険外治療を含めて種々のニキビ治療の中でもっとも効果的な治療薬の一つです。
スピロノラクトンはもともと高血圧の治療に使われる利尿剤の一種なので安全性・有効性が確立されている薬です。利尿剤は体から余分な水分を排出する薬ですが、スピロノラクトンはこれ以外に実は男性ホルモンを遮断する作用もあるのです。ニキビの原因となる皮脂の分泌や排出の異常には男性ホルモンが大きく影響しているため、スピロノラクトンを内服することで原因である男性ホルモンをブロックし、結果としてニキビを改善することができるのです。

■こんな方にお勧め
保険治療・保険外治療含めいろんな治療法を試したが改善しなかった
重症ニキビの方

 

■スピロノラクトンの飲み方
開始時点での症状により、100mg(朝1錠・夕1錠)か200mg(朝2錠・夕2錠)で開始します。新しくニキビができなくなってからもさらに1カ月同量の薬を続けて、再燃がないことを確認してから薬の減量をしていきます。100mgで開始した場合、1カ月後に症状に改善が少ない場合は最大で1日200mgに増量することがあります。

 

減量開始できるようになるまでの目安は約2~3ヶ月です。改善したら1カ月単位で徐々に減量していきます。
※ただし、月経不順など副作用が強く出た場合には減量あるいは中止が早まる可能性があります。

 

例)最初の2か月は200mg(朝2錠、夕2錠)→改善→150mg(朝2錠、夕1錠)に減量→減量して1カ月経過するも悪化無し→100mg(朝1錠、夕1錠)に減量→減量して1カ月経過するも悪化無し→50mg(朝1錠のみ)に減量して1カ月→悪化なければいったん終了

 

■副作用、リスクについて
*重大な副作用
一般的な副作用
乳房痛・低血圧・頻尿・生理不順・不正器出血・うつなど

皮膚科的な副作用
肝斑・多毛・発疹など電解質異常高カリウム血症・低ナトリウム血症・代謝性アシドーシスなど
不整脈・胸痛・全身倦怠感・脱力・吐き気など

 

■急性腎不全
尿量減少・頭痛・手足や顔のむくみなど
上記症状が出た場合は極力早期に内服を中止してください。
服用できない方
• 過去にスピロノラクトンで問題があった方
• 無尿または急性腎不全など腎障害、アジソン病(副腎不全)の方
• 高カリウム血症の方 減塩療法をされている方
• 心疾患や動脈硬化症のある方
• 肝障害、肝腫瘍がある方
• タクロリムス(商品名:プログラフ)、ミトタン(商品名:オペプリム)、エプレレノン(商品名:セララ)を投与されている方
• 妊娠中、または授乳中の方

 スピロノラクトン 料金
50㎎ 1錠 100円 (税別)


Q. 普段から注意することはありますか?
A.皮脂量が多い方は1日2回洗顔せっけん(ニキビ専用せっけんが特におすすめです。ご希望の方は受付スタッフにご相談ください)で洗浄しましょう。朝は「お湯だけ」では毛穴の皮脂が落ちず皮脂詰まりをおこしやすくなります。

 

Q.薬を飲む時に気を付けることはありますか?
A万が一、不整脈、動悸、胸痛、全身倦怠感、脱力感、尿量減少、手足や顔のむくみ、頭痛などの症状が出現したら使用を中止し、当院にご相談ください。

 

Q.薬を飲み忘れた時はどうしたらいいですか?
A.気づいた時点で、できるだけ早く飲んでください。
ただし、食後1時間以上超過しているときは、その分は飲まずに、次の服用時間から1回分を飲んでください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

 

Q.利尿剤ですが、尿に行く回数は増えませんか?
A.尿量・尿に行く回数はほとんど増えることはありません。

 

Q.スピロノラクトンを内服するとなぜ良いのですか?
A.ニキビは皮脂量が増えることで出来たり、ストレスなどでさらに男性ホルモンが過剰になることで増加、悪化します。スピロノラクトンは男性ホルモンを抑えてニキビの改善をはかるものです。

 

Q.スピロノラクトン以外に治療はないのですか?
A.トレチノインという肌の新陳代謝を早めて、ニキビを改善してくれる塗る薬もあります。スピロノラクトンの内服、トレチノインの塗り薬でも改善がない場合は、イソトレチノインという内服薬もあります。


●イソトレチノイン(ビタミンA誘導体)

ポイント
海外では重症ニキビの最も有効な治療法として30年以上前から使用されている
約20週間の内服をしたのち数年間ニキビが出にくくなるといわれている

イソトレチノインの効果
・皮脂の分泌を抑える
・ニキビ菌への抗菌作用
・ニキビ菌への免疫調整作用(炎症を抑える作用)
上記の3つの効果が優れているため重症のニキビにも効果があります。
海外では重症ニキビの基本薬として認識されていますが日本では厚生労働省の認可がおりていません(保険適応外治療)。

イソトレチノインの飲み方
1日1回1錠を食後に内服(患者様の症状により調整します)
1クールは約24週間(約6カ月)になります。
※治療開始直後は一時的にニキビが悪化することもありますが、自己判断で内服を中止せず、継続していただければ内服開始後2~3か月で効果がでてきます。

検診
内服前に1回、内服開始2カ月後に採血を行います。それ以降は適宜採血を行っていきます。

 

イソトレチノインを内服する際の注意事項(内服に適さない方)
内服中は妊娠ができません。胎児への影響が出る可能性があるからです。内服中止後も6カ月間は妊娠ができないこともご理解ください。1年以内に妊娠の予定がある方はイソトレチノインの内服はお勧めしておりません。
授乳中も内服ができません。

 

うつ病などの精神疾患があると診断されている方
肝臓疾患を指摘されている方、中性脂肪・コレステロール値が高い方
15歳未満の成長期の方(身長が伸びている方)

 

イソトレチノインでアレルギーを起こしたことがある方、ビタミンA過敏症の方、大豆アレルギーの方
テトラサイクリン系抗生剤(ビブラマイシン、ミノマイシン)の内服中は相互作用の可能性があります。
シミ取りレーザー・脱毛レーザーは、色素沈着をしやすいため内服中・内服終了後も1カ月は照射できません。日焼けも注意しましょう。
内服中や内服を中止した後も6カ月間は献血はできません

 

イソトレチノインの副作用
イソトレチノインの重大な副作用の一つに妊娠中の女性に投与すると流産や胎児への奇形のリスクが増大する可能性が指摘されています。
それ以外の副作用には以下のものがあります。
皮膚や粘膜の乾燥症状(発疹、口角炎、口内炎、落屑、赤ら顔など)
鼻の粘膜が乾燥した場合に生じる軽度の鼻血、ドライアイ、結膜炎
鬱、精神病(幻覚、幻聴)、自傷行為、自殺企図などの重大な精神疾患
頭痛
筋肉痛や関節痛
肝機能低下
血液中のコレステロール値の上昇
脱毛(一時的なもので、内服終了後に回復します)
めまい、吐き気

 

初診料 3,000円
再診料 1,000円
イソトレチノイン 10㎎ 1錠 300円 
イソトレチノイン 20㎎ 1錠 400円 (税別)

 

Q&A

Q)飲むタイミングは?

A)食直後に飲むと最も効果が出ます。

 

Q)中等症以上のニキビへの有効性はどれくらいですか?

A)98%以上の患者様が改善したというデータがあります。

 

Q)怖い薬ではないのですか?

A)医師の指示のもと、用法用量を守って内服していただければ特に問題はありません。イソトレチノインが日本で保険適応外(未認可)なのは、ニキビは身体的に不調をきたす病気ではないことから「疾病の治療目的」というよりは「美容目的」と解されることも多いため、特にイソトレチノインのような催奇形性等の重篤な副作用がある薬は認可されにくくなっています。

 

Q)イソトレチノインの内服以外の治療はありますか?

A)可能な限り当院ではニキビの治療は保険での治療を優先しております。
生活指導(これが一番大事)や保険治療で処方できるニキビ用の塗り薬(過酸化ベンゾイル、アダパレン、抗生剤)、飲み薬(抗生剤・漢方薬・ビタミン剤)で多くの方が改善されています。
考えられうる保険での治療をしても改善が難しい場合にスピロノラクトンの内服やイソトレチノインの内服・ケミカルピーリングなどの保険外治療を検討していきます。

 

Q).中等症以下のニキビの場合は処方してもらえないのでしょうか?

A)保険治療で改善がなく、再発を繰り返す方には患者様と相談の上、処方することもあります。その場合は飲んでいただくイソトレチノインは低用量で処方します。

 

Q)いったんよくなっても再発した場合は再度イソトレチノインを飲めますか?

A)5ヵ月から6カ月内服していただいた方は再発率がかなり下がりますが、生活習慣(寝不足・ストレスが多いなど)次第ではニキビの悪化が早期に起こることがあります。その場合は前回の内服終了後2カ月以上経過しておれば内服再開可能です。ご相談ください。

 

Q)何歳でも飲めますか?

A)15歳未満の成長期の方(身長が伸びている方)は身長が伸びなくなる可能性があるので飲めません。
18歳未満の方は初診時だけは保護者の方の同伴が必要です。

 

Q)1日20㎎を1錠で必ず改善しますか?

A)患者様の症状によっては増量が必要な方もおられます。症状と体重で薬の処方量が決まります。例えば体重が60Kgの患者様の場合推奨容量は0.5mg/Kgなので30mgとなります。ただし、ニキビの程度がひどく重症の場合は60mgを処方しないといけない可能性があります。

 

Q)6カ月で治りますか?

A)多くの方が1クール6カ月で改善します。改善度を見て内服薬の増量や、8カ月までの延長が必要になる場合もあります。

 

Q)飲み忘れた場合は?

A)飲み忘れた場合は次の食直後に飲むようにしてください。
1日完全に飲み忘れた場合は翌日に前日の分まで飲んではいけません。
1日2錠(朝夕)で内服されている方は朝飲み忘れた場合は、夕に2錠飲んでも構いません。

 

Q)ニキビ痕の赤みにも効きますか?

A)イソトレチノインはビタミンA誘導体ですので皮膚のターンオーバー(生え変わり)を促す効果があり、赤みが早く改善します。当院にはVビームレーザーという赤みを改善させるレーザーもありますので少しでも痕がきれいになるようにレーザーも検討していきます。

 

水虫

足の指の間に起こると思われている水虫ですが、全身どこにでも出現する可能性があります。また、症状も必ずしもかゆみやジュクジュクした状態とは限りません。このような状態が足の指に起こり、市販の水虫の薬を塗る方も多いのですが、別の病気である可能性もあります。まずは皮膚科を受診していただき、皮膚の一部を顕微鏡で観察して、水虫の菌が存在しているかを診断します(結果はすぐにわかります)。正しい病名が診断されたうえで、治療を進めていくことが大切です。
※水虫であっても薬を塗ることで菌が死滅し、正しい診断ができないことがあります。薬を中断してから受診されることをおすすめします。

ヘルペス

単純ヘルペス

口唇や陰部周辺に違和感を覚える状態に始まり、小さな水疱が集まって現れる症状を単純ヘルペスと言います。体力や免疫力が低下したときに出現しやすくなります。飲み薬の効き目が良く、抗ウィルス剤を服用して治療します。症状が繰り返される陰部ヘルペスの場合は、低用量維持療法などもあります。お気軽にご相談ください。

帯状疱疹(たいじょうほうしん)

ピリピリとした痛かゆい発疹が一箇所に集まる症状がある場合、帯状疱疹の可能性があります。最初は小さい赤い発疹で始まり、徐々に水疱になっていきます。痛みがないこともあります。早期の治療が大切で、状態によっては入院のうえ点滴治療が必要な場合もあります。

ほくろ・皮膚ガン検診

先天性のほくろ

生まれつき持っているほくろを先天性色素性母斑(せんてんせいしきそせいぼはん)と言います。放置しても問題ないことが多いですが、生涯のうちでガンになる可能性が数%あると言われています。
治療の第一選択肢は切除(オペ)です。切除ができないほど大きい場合はレーザー治療を行うという選択肢もあります。(状況により、大学病院をご紹介いたします)

後天性のほくろ

生後しばらくしてから出現するほくろのほとんどは良性ですが、ごくまれに悪性黒色腫(メラノーマ)であることがあります。
日本人は、手の平や足の裏のほくろにメラノーマが現れることが多いと言われています。当院では、まずダーモスコープという拡大鏡で良性か悪性かを見極めます。良性の場合の除去には、バイオパンチという筒状のメスでほくろをくりぬく方法(くりぬき法)、または炭酸ガスレーザーで焼く方法があります。いずれも15分程度の簡単な処置ですが、炭酸ガスレーザーは美容的観点を第一に行う施術のため、一回の治療で完全に除去できるとは限りません。また、時間が経つに従い再発することもあります。一方、くりぬき法はほとんど再発することがありません(保険適用)。気になるほくろがありましたら、お気軽にご相談ください。

皮膚ガン検診

皮膚ガンの検診は、まずは視診で行います。視診のみで判断がつきにくい場合は、ダーモスコープという拡大鏡を使って診断します。確定診断をつけるには生検が確実ですが、ダーモスコープを用いることにより生検を行わなくてもある程度の判断ができるようになりました。特に、手や足の裏のほくろについては、ダーモスコープだけで良性か悪性かがわかることが多くあります。
気になるほくろ、できものがある場合はお気軽にご相談ください。

いぼ・老人性いぼ

いぼ

小児の手や足の裏できるいぼは、ウィルス性のことが多くあります。その場合、液体窒素療法という方法で患部を凍結させて治療します。発症からすぐに治療を行えば、比較的早く治すことができます。指に不自然なできものが見つかったり、足の裏にたこや魚の目のようなものができたりした場合は、早めの受診をおすすめします。

老人性いぼ

顔や頭、首などに、黒くやや盛り上がったできものが現れた場合、脂漏性角化症(老人性いぼ)の可能性があります。治療方法には、液体窒素療法や炭酸ガスレーザー、外科的切除などがあります。皮膚ガンになる可能性は低いため、美容的観点から治療を行うことが多いものです。ガンの可能性を否定できない場合は生検を行い、良性であることが確認できてから治療を始めることもあります。

炭酸ガスレーザーでの施術についての動画はこちら

首の小さいいぼ

首にできる小さないぼは、皮膚の老化によるものです。腋や股にできることもあります。急速に大きくなることはありませんが、少しずつ大きくなったり増えていったりします。良性のため通常は放置しても問題になることはありませんが、美容的観点から治療を行うことも可能です。
当院での治療方法としては、液体窒素療法や切除を行っています。麻酔の必要もなく数分で終わる処置です。お気軽にご相談ください。

治療前

治療後

小児における湿疹・皮膚炎

小児アトピー性皮膚炎

乳児期では2ヶ月以上、幼児期では6ヶ月以上持続する痒みを伴う湿疹が存在した時点で、アトピー性皮膚炎と診断されます。卵などの食物やハウスダストなどの吸入抗原など多数のアレルゲンがあるお子さんや、症状が強く治療に反応しにくい重症型の場合は、治療期間が長くなることがあります。アトピー性皮膚炎は、良くなったり、悪くなったりを繰り返すかゆみを伴う湿疹ですので、焦らず治療していくことが大切です。

最近は、新生児期から全身の保湿をすることによって5年後のアトピーの発症率が下がったというデータもあります。肌がきれいなお子さんであっても、この世に生まれて沐浴で胎脂を取り除いた瞬間から乾燥は始まっていると思ってスキンケアを開始してみてください。

あと、質のいい乳酸菌(善玉菌)を摂取することで、腸内細菌を善玉菌優位なり、アレルギー体質の改善につながったというデータもあります。まずは、ご相談ください。

乳児脂漏性湿疹

生後間もない赤ちゃんの顔(頬やおでこ)や頭部に黄色いかさぶたのようなものや、フケのようなものが付着する症状を、乳児脂漏性湿疹と言います。
赤ちゃんは、お母さんのお腹の中にいる間は女性ホルモンの影響を受けているため、新生児期から生後3ヶ月くらいまでは皮脂の分泌が非常に活発です。乳児脂漏性湿疹は、いずれも生後5ヶ月くらいまでには自然に治癒するためあまり心配はありませんが、かさぶたが硬くなっている場合は、無理にかさぶたをはがそうとせず、入浴前にオリーブオイルなどで柔らかくしてからベビー用せっけんで洗うと良いでしょう。それでも改善が見られない場合は、ご相談ください。

とびひ

主に、幼児・小児が夏にかかる細菌感染症に、とびひという病気があります。体のあらゆるところに拡大したり、他人に伝染したりすることから「とびひ」と呼ばれています。
鼻を触り過ぎたり、虫刺されやアトピーによるかきむしりでできた傷に細菌が感染したりして起こることが多く、治療方法としては抗生剤を服用することが有効です。
症状が繰り返される場合は、生活環境の整備などが大切です。詳しくは、ご相談ください。

水いぼ

水いぼは、プールのビート板などを介して感染することの多いウィルス性の症状です。放置していても、いずれ免疫がつき自然に治癒することが多い病気です。また、数が少ない場合はピンセットでむしり取ってしまっても問題ありません。ただし、学校や水泳教室によっては、治癒するまでプールに入れない可能性があります。
無数にある場合の治療としては、漢方薬を処方しウィルスに対する免疫力を上げる方法があります。
乾燥肌のお子さんには特に伝染しやすい傾向がありますので、予防を兼ねたスキンケアがとても重要です。

紫外線療法・生検

当院の紫外線療法は、ナローバンドUVB治療を導入しています。紫外線は発ガンや火傷に関与すると言われますが、ナローバンドUVBは有害な波長を取り除いているため、安全性が高い療法です。また、治療には保険が適用されます。
現在では乾癬をはじめ、アトピー性皮膚炎、白斑、掌蹠膿疱症、菌状息肉症などの治療に用いられています。従来の治療法に加えてナローバンドUVBを組み合わせることにより、内服薬やステロイド外用薬の使用量を減少させることが期待できます。アトピー性皮膚炎によるステロイドの使用量が増えてきた場合や、従来の治療法で悪化傾向にある場合は、治療方法の選択肢の1つとして検討する価値があります。ただし、治療開始時には週に2~3回の照射に通う必要があります。

生検

皮膚生検は、皮膚の一部を切り取り、顕微鏡で細胞や組織の状態を詳しく調べる検査法です。
皮膚生検を行うことにより、肉眼では見えない組織の深部や血管の状態、病原体の有無、細胞の種類、良性・悪性の判別、病変の進行状態など治療や診断に必要な多くの情報が得られる重要な検査です。
約2週間で検査結果が出ます。その内容によって治療方針を決めていきます。必要により、大学病院などにご紹介することもあります。

生検の方法

生検では、検査部位を消毒後、局所麻酔を注射し皮膚の一部を切り取ります。病変の状態によりますが、2~5㎝大にくりぬくか、1.5㎝程度の紡錘形に切り取ります。その後の状態により、くりぬき法で1~2針、紡錘形で4~5針ほど縫合する場合があります。
検査直後は止血のため厚いガーゼを当て、強力なテープで患部を圧迫します。翌日、止血チェックと消毒のため来院していただくことがあります。約1週間後に傷の状態を確認、また縫合した場合は抜糸のため来院していただきます。
※検査部位により抜糸時期が異なる場合があります。

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