2015.04.21更新

(4月12日にプロトトピック軟膏の講習がありましたので報告します)

 

プロトピック軟膏ってご存知ですか?

 

アトピー性皮膚炎の治療に使う軟膏です。

 

皮膚炎の治療のスタンダードは「ステロイド軟膏」です。

ではなぜ「プロトピック軟膏」が必要なのか・・・

 

虫刺されや湿布かぶれなどの急性期の皮膚炎の場合はステロイド軟こうを塗ったら一般的には1週間もしたら治ります。

 

しかし、アトピー性皮膚炎は定義にもあるように「繰り返す疾患」なのです。

 

言い方を変えれば、「ステロイド軟こうを塗っている間は症状が改善するが、塗るのを止めたら再燃する」のです。

 

アトピー性皮膚炎の患者様から「ステロイド軟膏を塗ったらよくなるけど、止めたらまた湿疹がでてくるので・・・これってステロイドの副作用ですか?」と質問されることがあります。

 

答えは「いいえ」です。

 

「ステロイド軟膏を塗ったらよくなる」

→もちろん、皮膚炎治療のファーストチョイスはステロイド軟膏なので塗ったらよくなります。

 

「止めたら湿疹が出てくる」

→アトピー性皮膚炎の患者様の多くがハウスダストであったり花粉であったり、カビであったり(子供の場合は卵など食物も関与しています)・・・アレルギーをおこす原因が身近にあることが多いです。

 すなわち、「自分を取り巻く環境に原因がある限り皮膚炎は再燃してしまう」わけです。

 ステロイドの副作用で再燃しているわけではないのです

 

では、皮膚炎が再燃を繰り返すからと言ってステロイドを塗り続けた方がいいのか・・・?

 

答えは「いいえ」です。

 

ずっと塗り続けてしまうとさすがに※副作用が出る可能が高くなってしまいます。

 

          ※ステロイドの副作用には「皮膚が薄くなる」「毛細血管が目立ってくる」「酒さ様皮膚炎(赤ら顔)」があります。

 

そのときに「プロトピック軟膏」の出番です。

プロトトピック軟膏はステロイド軟膏と同じように皮膚炎を抑える軟膏ですが、副作用ほとんど出ることはないといわれています。

 

ステロイドをできたら使いたくないという方の治療の手助けをしてくれると思います。

 

症状に応じてステロイドとプロトピック軟膏を使い分ける必要性があります。ご相談ください。

 

 

投稿者: 皮膚科 生駒熊本クリニック

2015.04.14更新

当院は皮膚科のクリニックです。

患者さんとスタッフと医師で成り立っています。

学校では生徒さんと先生で成り立っています。

なにを言ってんだ?という感じですね。

なにを言いたいかと言いますと

 

患者さんにも皮膚科の疾患・治療内容について学んでいただきたい

 

ということです。

 

当院を受診された患者さんならお気づきかと思いますが、

①まずは病気についての説明(原因のわからない場合もありますが・・(T-T))

②治療方針について

③治療後のケアについて

を、初診時にセットでお話するようにしています。

 

特に②のところですが…

「こういった症状にはこの程度の塗り薬を塗ってください」


「ここにはこの強さの塗り薬を、ここにはこっちの塗り薬を」


「この程度まで改善したらこうスキンケアに切り替えてください」


「治ってもこうなったらこうしてください」

 

なんやらごちゃごちゃ細かいことを言われます。

しかも、へたしたら診察のたびに毎回言われることもあるはずです。

 

たぶん、めんどくさいなと思われてるんだろなと思いつつ、あえてそうしています。

 

なぜか?

 

何度も話を聞いていただいていくうちに患者さん自身に自分自身の主治医に、あるいはお子さんの主治医になっていただきたいからです

 

もちろん、症状によっては病院に来ていただかないと対応できないこともありますが、いつもと同じ症状ならこの軟膏で対応したらいいと分かっていただいていると、すぐに病院にこれなくてもひどくなる前に早目早目に対応していただけることが多いからです。

 

私が「○○軟膏はありますか?」などと、名前で呼ぶことが多いのも少しでも、(例えば)顔のこんな感じの皮膚炎にはこの軟膏がいいというのを覚えていただきたいと考えているからです。

 

もちろん、迷われたらご相談ください。

 

少しでも皮膚でお困りの方のお役に立てたらなと思う日々です。

 

それから、学会等でお休みをいただく日があるかと思いますが、皆さんに最新の医療情報を還元できるよう頑張っていきたいと思います。

 

年内に決まっている学会で休診になる日です。

5月30日土曜日(終日休診)

7月25日土曜日(終日休診)

ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします。

投稿者: 皮膚科 生駒熊本クリニック

2015.04.14更新

セラミドってご存じですか?

1度はなんとなく耳にしたことはあるようなないような…?

 

セラミドは細胞間脂質という皮膚の中にある物質です。

皮膚は乾燥するとバリア機能が壊れてしまいますから、セラミドは壊れないようにしてくれる仕事をしています。

 

では、そのセラミドがもともと作れなかったり、作っても足りなかったり、作れていても皮膚から排出しすぎていたらどうなるでしょうか?

肌が荒れていき、痒くなり、掻きむしって、とびひになったり、アレルギーが強くなったり…

 

もちろん、ナイロンタオルでごしごしこすったり、長く湯船につかって遊んだりしていては、セラミドがどんどん逃げていきます。

さりげに、プールで水に長時間浸かっている場合も乾燥しやすいです。


さて、スキンケアの実践です。

 

かなり、もったいぶりましたが簡単です。

1日2回、朝と入浴後に保湿する…です。

 

保湿する…保湿剤と書いてるならなんでもいいってわけではないです。

私も何度かドラッグストアで「保湿剤コーナー」で数種類購入して使ってみましたが正直あまりしっとりしませんでした。

もちろん、塗った直後はしっとりしますが、翌朝にはしっとり感がまったくない。

ものによってはいいのもあるんでしょうけれども…私は全てハズレをひいてしまった感じでした。

 

医学的に理想の保湿とは?

「セラミド+ワセリン」

これに尽きます!!

 

学会でスキンケアについての講義を聞いたら必ずといっていいほど「セラミド+ワセリン」といわれます。

 

では、セラミドの入っている保湿剤はどこにある?

 

セラミド入りの保湿剤を売っていることはあります。

ただ、ほんの少ししか入っていなくて、充分量入っていなくても「セラミド入り」なんですね。

きちんと必要量の入っているセラミド入りの保湿剤を使ってください。

 

保湿のイメージとしては、

①まずはお肌の中にセラミドを浸透させる

②浸透したセラミドが逃げていかないように皮脂膜で覆って閉じ込める。

です。

皮脂膜の代わりになるのがワセリンです。

「皮膚内の必須保湿成分であるセラミド保湿剤の下塗りと、皮脂膜の代わりのワセリンの上塗り」

これで決まりです!!

 

もちろん、老若男女問わずおすすめです。

セラミド保湿剤にご興味ございましたらお気軽にご相談ください。

投稿者: 皮膚科 生駒熊本クリニック

2015.04.08更新

肌荒れってピンキリかなとおもいます。

ニキビができやすくなっての肌荒れから、ひどい乾燥肌での肌荒れからいろいろです。

 

今回は特にお子さんの乾燥肌からくる肌荒れについてお話をしたいとおもいます。

「肌が荒れていく」

荒れたらどうなるか?

「痒くなる」

痒いから掻いたらどうなるか?

「ハウスダストなどの抗原の侵入を防げない」
「バイ菌が入ってとびひになりやすくなる」

 

とびひはともかく、抗原の侵入を許したら?

「アレルギー(アトピー含む)になる可能性が高くなる」

えらいこっちゃです・・。

 

もちろん、アレルギー体質がまったくないなら多少は問題ないでしょうけれども、もし、ママ、パパに花粉症などのアレルギー体質をお持ちの親御さんから生まれてこられたお子さんはアレルギー体質を引き継いでいる可能性が高いと言われています。

もちろん、痒みは辛いですから最優先で治さないといけないのですが、実は治ってからのスキンケアであったり、皮膚炎になる前の予防がさりげに一番大切なことと考えています。

 

ちなみに…

昨年の海外での論文ですが、

「赤ちゃんの頃からスキンケアをされているお子さんの5年後のアトピーの発症率が下がる」

というデータが出ました。

スキンケアをしておけばアトピーになる可能性が低くなるということです。

家系的にアレルギー体質がある場合(は特に)、赤ちゃんが生まれたら肌にトラブルがなくてもスキンケアしてあげたほうがいいですよ、ということです。

 

スキンケアの必要性を分かっていただいたところで…次回、リアルなスキンケアについてお話しますね。

では!

 

次回に続く

http://www.hifu-ikomakuma.com/blog/2015/04/post-6-64931.html

投稿者: 皮膚科 生駒熊本クリニック

2015.04.08更新

ご無沙汰しておりました。


今後は、皮膚科情報やクリニックの紹介も含めて少しづつUPしていきますね。

 

http://www.hifu-ikomakuma.com

投稿者: 皮膚科 生駒熊本クリニック

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